日本では脳神経外科医を略して脳外科医という呼び方が定着しています。
脳神経外科はアメリカで生まれた学問で原語では我々のことはneurosurgeon
(神経外科医)と呼ばれます。この言葉が輸入されたときに誰が「脳」を冠に付けちゃったんでしょうかね?
我々が脳外科医と世間に認識されることが非常に大きな問題であると私は考えています。最近よくテレビでも「神の手」がどうの…ってやってますよね。
実際日本では手術数で言うと脳疾患が大きな病院でも一般的に8割以上です。本家アメリカでは手術数は脳疾患と脊髄疾患・末梢神経疾患が半々です。またいわいる脳外科医の中では脊髄疾患・末梢神経疾患はみない先生方が半分以上いらっしゃると思います。
私はアメリカで一時訓練を受けたので体中に張り巡らされた神経を全て診断し治療できるように作られました。ですから敢えて自分のことは「神経外科医」と認識しています。強いて診療科として記載するなら「神経外科」か「脳・神経外科」でしょうな。
ちなみに右の写真は当院の診察室の壁に取り付けてある中枢神経の図です。永久保存版です。日頃の診療にこれを指し示してご説明するのでわかりやすいだろうと思います。